日記 6/14

 変わらず雨が降り続く。なんとなく怠くて力が湧いてこなかった。本を読んだりラジオを聴いたり、コーヒーを飲んでるそばから居眠りをしたり。こんなんでええんか。

 

 読みたかった近藤ようこさんの"ゆうやけ公園"をやっと見つけた。9年ほど前の作品の新版だが、おれは初めて読んだ。公園に住むホームレスのおじさんを軸にして、周りの人々の人生模様が描かれる短編集だ。近藤ようこさんはおれにとってとても大切な作家で、いつも何歩か先のテーマについて成果や考えていくべきことを示してくれてきた気がする。この本は各話完結の短編集という作りであり、いろいろな事柄を多角的に見られると思う。そして何よりやっぱり読んでておもしろい。バブル世代の夫婦とその子供たちの間の、見ているものの違いが、絵から伝わってくる。

 ホームレスのおじさんを主人公として読めるが、彼もまたゆうやけ公園という場に許されて一時そこに在ったという意味では他の登場人物と同じで、皆ここに描かれている以上に大きな背景を持っていることが確かに伝わってくる。何度も読み返したい作品だ。