5月2日

 この町で何か始めよう、そう思ったら次に描くことは何か。自分は、思い入れの無い仕事を続けるのが嫌になってやめて、何もしないのもなあという気持ちが切っ掛けだから、何となく推進力が弱い。ましてや他のことに気を取られると、止まってしまいそうだ。これをやろうと思っていることはある。だがそれは自分にとっては新しい事だとしても、この町の人々から見たら他の誰かが既に成した事業である。それを後から続いて実現することに、意味はあるのだろうか。誰かと競争をしたい気持ちは、けして強くない。

 以前読んだ漫画の一場面、若者が「この町にはこれが足りないから、こういう場所を作ったらみんな利用すると思うんだ」というようなことを言って、その準備を行う。紙面の上では、大上段の決意などではなく、とても自然な態度でそのセリフが語られていて、それは自分が取りたい姿勢でもあるように思った。世間に出て仕事をする時に、持っていたいのは、滅私奉公の気持ちではないし、かと言って商機を逃さず掴みたいわけでもない。つまるところ、おれは自分にとっての成功とは何かを考えているのだろうか。それは、家に居たら永遠に分からないような気がする。