“Confirmation”

 Sheila Jordanの1975年のアルバム"Cofirmation"。こないだ初めて入ったジャズ喫茶でかかっていて、その後行った中古レコード屋で見かけたからなんとなく買ってみた。ジャズを聴くようになってしばらく経つが、ボーカル作品を買うのは初めてだ。

 颯爽としたかっこいい歌声で、肩肘張らずに落ち着いて聴くことができる。日本制作盤でライナーノートと歌詞が入っているのも嬉しい。

 ライナーノートは、彼女の来歴が自身の語りで綴られている。「子供の頃、ペンシルバニア州サマーヒルの祖母のもとに預けられて、高校1年までは、ピアノを習ったりしながら祖母の手で育てられた。サマーヒルは炭鉱の町で、鉱夫たちが<ユー・アー・マイ・サンシャイン>をいつも歌っていたのがいまだに私の心に焼きついているわ。真黒な顔をした鉱夫たちが、口々に、<サンシャイン>を歌いながら、炭鉱から出てくるのよ。」くらくらするくらいの前衛ジャズのプレイヤーたちとの邂逅も語られている中で、上の一節がとても印象的だった。

 アルバムの"Introduction"で、このアルバムのSide 1を世界中の子供達に捧げると宣言していて、"God Bless The Child"や"My Favorite Things"が吹き込まれている。Side 2もばっちり決まっていてかっこいい。息の合った演奏で彼女の歌を支えるバンドのメンバーは、馴染みのクラブで歌うときの気心の知れた仲間であるという。緊張感とリラックス感のバランスがとても良いと思う。長い付き合いになりそうな作品だ。

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