日記 6/3

 ここ数年、フリージャズと呼ばれる類の音楽が好きになって手探りで少しずつ聴いている。数ある名盤の中でも、おれはJulius Hemphill "Dogon A.D."という、タイトルからしてただならぬアルバムが好きだ。オリジナル盤はかなり稀少らしいが、昨年CDが再発されてそれを買った。

 フリージャズはフリーと冠するくらいだから、ポップスなどの他の音楽よりもたぶん制約が少なく、演奏時間も長いことが多い。どこにどんな制約を置くかというのも表現手段だと言えるし、どっちがエラいのすごいのというもんではないだろうが、その制約の少なさ故かフリージャズにはより精緻でシンプル(変な言葉)な、得体の知れない生々しい何かに接しているような独特の聴き応えがある。

 "Dogon A.D."でリズムやメロディが近づいては遠ざかるのに身を任せると、音楽が生み出される過程と熱を追体験しているかのように思えたりする。最後に入っている"The Painter"という曲が好きだ。

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