日記 5/15

 ステイホームや支援とかの動画配信はなるべく見ないようにしている(理由は複雑だ)が、レディオヘッドは例外とする。最初に好きになったバンドで、ずっと傍らで鳴らしてきた音楽だ。今日は2016年の日本でのライブ映像を見た。

 結成メンバーによる息の合った演奏でもうけっこうぐっと来るが、サポートのドラマーも良いし、ジョニーはフリーキーなギターを弾いたかと思うと、電気工事士みたいにもテレワークのオフィスワーカーにも見えたりした。トムの歌は怒りと悲しみと不安に揺れながら、心に優しく響いている。ライブの"Reckoner"いつもやばい。

 "KID A"の後、様々な要素を取り入れたサウンドがずっと注目されてきて、ほとんど別のバンドにまで進化したかのように思えたこともあったけれど、今はどうだろう。ほとんど全部の時期から選曲されたライブ映像を見ていたら、キャリアに裏打ちされた複雑で高度な演奏には違いないのに、デビューした頃にトリプルギターのアンサンブルと美しいメロディが特徴と言われていたバンドが、ただまっすぐに成長してきただけかのように思える瞬間がたくさんあった。でもそれもきっと本当なんだろうなと思えた。まさに集大成のようなライブだ。一方で数週間前には2000年のライブも公開されており、そちらでは新しい試みに攻撃的に取り組んでいる時の、ものすごい熱量が渦巻いている。対照的とも言えるかもしれないが、両方見て本当にすごいバンドだと思う。

 いつまでも不思議なバンドだと思う。また会場にも行きたい。