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 愛知県知事のリコールの署名の大半が有効性を認められなかったという報を見かけた。どんな方法で集めた署名がどのように否認されたのかは確かめていないから、それ自体については揉めてそうだなくらいにしか思わないが、そういえばメールやSNSで「〜に署名してください」という不特定多数への誘いが年々増えている。つらつらと読んでみると随分簡単に署名できるもんなんだなと思うし、簡単だからチャチャっと署名してくれという軽い雰囲気のものもある気がする。

 個々の案件の内容はともかくも、手軽に署名する時に省かれているのは手間だけなのだろうか。面倒くさいことだからこそ集まった時に成される意味があり、面倒くささを省くと一緒に大事な何かが抜け落ちていって、署名一つずつの価値をどうしても下げてしまう気がする。それは本意なのだろうか。しかし、かと言って簡単にやれる方法があるのに、今更あえて必要以上にやりづらい方法を採るというのも芝居がかって白々しいところもある。さらには、たとえうまくそこのバランスを取った方法で実施できたとしても、提出する先にそのやり方の意味を理解してもらうことも簡単ではなさそうだ。

 そんなことぐるぐる考えても何も始まらないとは思うが。