日記 5/16

 昼頃からずっと雨が降り続く。先日車に降り積もった黄砂が流れていく。今日もレディオヘッドのライブ映像を見ていた。

 写真の本が好きだ。特に専門知識があるわけじゃないが、しっかりした印刷の重くて大判の本で写真を眺めているのがなんとなく良い。あれこれ話せるような写真に詳しい知人もいないから、幸か不幸か、ほとんど独りよがりの時間になる。

 そういう本は大抵良い値段が付いているから、どんどん気軽に買うことはできない。そもそも一般的な地方の本屋には企画ものの写真本はあったとしても、写真家の作品集はあまり置いていない。もしコーナーがあっても中身を見ながら吟味できないことも多い。仕方ないと理解はすれど、厄介な分野を気に入ったものだ。そういう意味では、数年前に訪れたアムステルダムのMendoという本屋が良かった。日本で感じたことのない独特の雰囲気があってドアを開けるのに少し勇気が要ったけれど、入った瞬間から最高の店だった。いつかまた行きたい。

 イタリアのGuido Guidiという写真家が気になっている。昨年、誘われて初めて行ったアートブックフェアで見かけて、値段で悩んだ末に思い切って衝動買いした"In Sardegna"が良い。3巻セットの時を経た風景写真集はロードムービーのような雰囲気を漂わせており、地方都市の間の切り取られた景色を眺めていると、ざわつくような気分もありつつ落ち着くような懐かしい気持ちも湧いてくる。付いている英語とイタリア語の文章の冊子は読めないので翻訳してみたい。自分の感じ方が見当違いなことも分かってしまうかもしれんが。

 出版社は、シュタイデル社で写真部門のディレクターを務めていた方がイギリスで起こした会社らしい。最近まで知らなかったけれど。この写真家の他の作品集も良さそうで買って後悔はしないとは思うものの、おれにはかなり思い切りの要る値段なのでこのところずっとそれで悩んでいる。