日記 10/9

 ふとした時に、よく日常とは何だろうと思う。"かけがえのない日常"、"奪われた日常"、"日常を取り戻す"、"非日常"…あちこちでそんなフレーズを見かけても、おれは雲を掴むような気持ちでいる。抽象的なただの言葉だと言えば詮無いけれど、自分にとってそれが何を指すものなのか。いい歳してそんなこと考えてるやつはただの暇人だという意見もある。

 きっと人の数だけそれぞれの日常がある。でも奪われたり取り戻したりするようなもんではないような。他人のことは分からないから、自分で適当に納得するしかない。明日から戦争に巻き込まれたら、おれも日常を奪われたと感じるのだろうか。

 おれの日常は秋の中にあるとこの季節になると思う。