デーゲーム

 子どもの頃、ユニコーンの"デーゲーム"という曲が好きだった。単純な言葉で表現しづらい印象のサウンドと詞、思えばあれがサイケデリックな雰囲気を持つ楽曲との出会いだったかもしれない。そういうことは時を経ても度々思い出され、いつしかデーゲーム観戦が長年の憧れのひとつとなった。プロ野球は30年近く興味を持って見てはいるものの、未だに一度も球場で観戦したことがない。その間、東北にもホームチームができたり、関東に住むようになったりはしたけれど、なんとなくチケットを買って球場に足を運ぶということができないでいた。応援団が怖かった。今年もそんな感じで過ごしていた先週、なんとなくチケット情報を見てみると、神宮球場でスワローズの今年最後のデーゲームがあるという。今年は既に記録的な暑さで夏が始まっているからどうかとは思ったけれど、最近聞こえてくる外苑周辺の再開発のことを考えると、チャンスがあったら行っておかないといけないという気持ちになり、よく分からない券種に四苦八苦しながら、チケットを買った。

 試合は両軍フルボッコのシーズン屈指の乱打戦となり、4時間もの長さだった。その間、殺人的な直射日光に曝され続けた半身が日焼けした。ちょっと油断するとボールを見失うし、ピッチャーがどこにどんな球種を投げたのかもよく分からない。周りの席からは下世話な会話が聞こえてくる。それでもやっぱり、高い空と選手たちがポツンと守備についた広いグラウンドにを眺めていると、またここに来てスワローズを応援したいと思った。初めての野球観戦をデーゲームにしてよかった。個人的に好きなオスナ選手が4安打したことと、マクガフ投手が目の前にあるブルペンで投げている姿を見られたのがうれしかった(打たれたけど)。

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