日記 8/29

 自分の心に融着していると言えるほどのアルバムとして、J.Mascis + The Fog "Free So Free"がある。言わずと知れたDinosaur Jr.のメンバーであるJが、バンドが解散していた時期に発表した実質的なソロアルバムだ。ゲスト的に他のミュージシャンも参加しているが、ギター、ベース、ドラムスは彼が演奏しているはず。明記はされてないけど。

 思い切りなタイトル、ジャケットを掲げて彼が鳴らす"自由"には、孤独や痛み、哀しみも浮き彫りになっている。たまらないギターが全編に渡って鳴り響く中、それ以上にエモーショナルに感じられるのがドラムスだ。このアルバムを聴くとき、ドラムスのリズムと歌心が心を動かしていくのを感じる。ボーカルは、昔から"無気力ボーカル"とか評されがちだけど、おれは自分のスタイルを持った良いボーカリストだと思うし、意外と歌詞が聞き取りやすいところも、彼には伝えたいことが確かにあるのではないかと思わせる。

 この前のアルバムや後の正真正銘のソロアルバムに比べると、もう話題にも上らないし、あまり評価も高くないような気がするけれど、ラジオで新譜として聴いた時から、おれはずっとこのアルバムが好きで仕方がないのだった。プレーヤーを買うあても無いのに、ジャケットが好きで初めてアナログレコードを買ったアルバムでもある。

 

 今日はターンテーブルを譲ってもらった。初めてレコードをかけるなら、もちろんこのアルバムと決めていた。感慨無量。