“Park. Live”

 ここのところ、ポーランドのミュージシャンSławek Jaskułkeの野外ソロピアノライブアルバム"Park.Live"をよく聴いている。これまで彼のことは何も知らず、気付いたらライブラリに入っていたので、何かの記事で気になって入れっぱなしになっていたのだろう。

 とても開放的な心地よさはシンプルなタイトルにも象徴されているように思う。曲名も全て"Park"。紹介文には、実際に彼が住んでいる地域の博物館の庭園で行ったライブの音源で、リリース目的の録音ではなかったけれど、聴き返したら鳥や子供の声との調和が素晴らしく発表することにした、と書いてあった。

 演奏以外の音が入り込んでいるライブ盤なら他にも少なくはないかもしれないが、このアルバムは偶然に全てが関わり合っている感じが確かにある。とても空間的な広がりを感じ、演奏された時の景色と繋がっているような感覚すら覚えるのだ。

 ソロピアノ音源は、どれでも似たような質感を得られると期待して軽はずみに手を出しがち(酷いリスナーだ)だけど、意外と好みに合うものに出会いにくい。おれのいい加減な認識よりも、ずっとシビアで曲や演奏の個性が出る楽器なのだろう。このアルバムは、ぼんやりしながらでも本を読みながらでも、一度かけると大抵最後まで聴きたくなる。