日記 11/22

 地図を見ていたら、家からわりと近い地域に焙煎コーヒー豆屋があることが分かり、試しにそこに行ってみた。落ち着いた住宅街に唐突に現れた、中が見えない真っ黒い建物で、駐車場には店の人のものと思われるLEDをたくさん搭載したスポーツカーが置いてある。正直この段階でかなりウッとなっていたが、物は試しと扉を開けて入ってみた。店内は整理されたハイセンスな雰囲気だった。よく行くジャズ喫茶と同じ豆があったので、それを買ってみた。帰ってから淹れてみると、比較的ちょっと深めの焙煎加減のようで、いつものよりも苦みを感じた。豆はともかく雰囲気がちょっと苦手な感じだったので、また行くかは微妙なところだけれど、色んな場所で色んな人達がコーヒーを扱っているという例をまたひとつ目の当たりにした。

 拙い夕食を用意し、さあ食べるかというところで、久しぶりにやや強めの地震があった。そういう時は大抵地元でも速報されるので、母親から心配の電話が来るし、災害に備えよという話が始まると長くなることもある。明日は祝日だが出勤日で、おれはこれから休みの終わりの夕食を摂らんとしている。電話が来る前に、先手を打って「地震は大丈夫です」とメールを送っておいた。しかし一口目を口に運んだ瞬間に電話は鳴り、「オイオイ地震があったのかい、大丈夫かい」というのが始まるのだった。

 強めの地震が起こり自分の所の程度は実害が出るほどではない分かると、安心よりも先にここより強い揺れが起きているところがないかが心配で、とても不安になる。あの震災を経験した者として、これはこの先もずっと変わらないだろう。