12/3

 気になっていた映画"泣く子はいねぇが"を観てきた。おれが近くで観られるのは今日がラストチャンス、残業で諦めかけたが滑り込みセーフ、シアターに入ると同時に本編が始まった。

 若者の、人生の途中から途中までの物語。作品のテーマと自分の出身県の風景が同時に迫ってきて、まともに見られないというか、むしろまともにしか見られないというか、かなり精神的に参ってしまった。主人公が怒鳴られたり殴られたりするとき、なんとなくおれも萎縮した。印象的なシーンがたくさんある中で、主人公の元妻が決別を告げる際に最後に絞り出すように放つ台詞が、最も心に残った。色々な解釈があれどおれは優しいシーンだったと思った。全体的に、肯定的な意味での曖昧さがある映画だった。予想はしていたけど、折坂悠太のエンディング曲がやはり沁みた。