日記 7/23

 今年のカレンダーは今日から4連休だという。出かけるの出かけないのと話題があるようだが、おれは仕事に行く。前の職場も祝日はほとんど出勤だったから、通勤が空いていて電話もメールも来ないそういう日を、おれ自身はそれほど嫌いになれないことを知っている。とはいえ早く帰りたいとは思っている。

 今朝の道路の感じだと、明日はもう5分遅く起きても何ら問題ないであろう。

 

 帰宅してから、写真家スティーブン・ショアとロサンゼルスの美術館の学芸員ブリット・サルヴェセンの対談配信を見た。おれは最近興味を持って名前を知ったものの、かなりの大御所写真家のようだ。無料で見られることを皮肉に感じるほど、中身の濃い写真の話が展開された。

 

 古本屋で買った"下町酒場巡礼"。東京の場末の酒場の魅力を、独自のエピソードにより伝える本だ。おれは酒を飲まないし、東京の個人店にも気軽に入れるほどの度量も持たないけれど、ここで記されているいくつかの店の在り方には、思うところが多分にある。

ー常連さんは、自分たちの家にいるようにくつろいでいる。おかみさんの対応もいたって気さくだ。

 誰かが、「腹が減ったな」とつぶやくと、おかみさんは、「お腹のすいた客は、向かいのコンビニで何か買っといで」と言って笑った。ー

 飲食店の基本的な仕組みに収まらないやり取りだ。記されているのは店のほんの一面かもしれないが、今の時代にさりげなくこういう価値観を分かち合える場所はとても貴重だと思う。店がまだあるのかは分からないが。