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 昼休みに、西川美和監督の新作映画の上映が近くであることを知り、仕事が終わってから観に行った。監督の映画を観るのは、10年ぶりくらいかもしれない。映画館に足を運ぶこと自体も随分久しぶりな気がして、少し緊張した。

 自分がこれまで生きてきた中で抱え続けている問題も、テーマになっている。おれにはとりあえずで現時点な回答すら出せないばかりか、最近は、もう無理なんじゃないかと考えることを放棄しそうにもなる事柄だ。右往左往して、電話で「でも死ぬわけにもいかんけん」と言う主人公の疲れたような表情が胸に残る。

 袋小路に追い詰められた主人公に、とても楽観できないラストが待っていたが、あの時こうだったら違った結末があったのではないかと、帰りながら考えてしまう場面がいくつも浮かんでくる。もの言いたげな顔で口を噤んだ若者が、思ったことを声にしていれば、スクリーンの中では、どんなところへ辿り着いただろうか。