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 日曜、休日。風が強く、洗濯物がぶんぶん振り回されていた。

 昼頃に散歩に出た。近所に桜の通りがあり、もうすぐ開花しそうな気配を漂わせている。昨年、ここに引っ越してきた時は、ちょうど満開の時期だったから、桜に特別な思い入れは無くとも過ぎた一年をぼんやりと想う。一年前に持っていた、不安や怯えは減ってはいなくとも以前よりも見据えることができるようになったような感覚があるし、漠然とした願望のようなものは方向性が多少絞られてシンプルな形を成し始めている。以前よりも他人を当てにしすぎていない。一年という時間に見合うほどかどうかは分からないけれど、少しずつでも大人になれていればいい。そう思いながら、うっすら汗をかきつつ歩いた。

 


“はづきたち” よしむらひらく MV