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 土曜日、休日。雨、風、雷。実家の姉にホワイトデーの菓子を発送した。

 昨夜書店で、著名人が土曜の朝と日曜の夜に聴くべき音楽を紹介している雑誌を立ち読みした。おれが知っている音楽は10枚に1枚あるかないかぐらいで、この人たちは日ごろどれだけ多くの音楽を聴いているのかと呆れてしまった。大してなんも知らんのに知ったかぶってばかりいる自分を自覚して、恥ずかしいような妙な気分になる。もっとたくさん聴かなければいけないような、音楽の技術的な背景を知らなければいけないような、さもなくば聴くのを今すぐやめなければいけないような。今日、その中で覚えていたPaul Bleyのソロアルバムを聴いたら良くて、まあそういうのはおれには仕事でもないんだし、適当でいいやと思うことにした。

 夕方頃、ライブなどに携わっていてミュージシャンとの親交も深い方と偶然話す機会に恵まれたが、昨日のことがぶり返してしんどくなり逃げるように切り上げた。おれはミュージシャンと親しくなりたいわけでも、裏事情的なことを知りたいわけでもない。深入りしたくないということではないが、無理やり何か言葉にするなら、好きなミュージシャンの新しい音を聴くのが楽しみなだけで、たぶんそれが聴衆としてのおれのほとんど全てだ。だからその方に変な気が無いこと、おれを信用して話してくれていることは目を見て分かっていても、耳を塞ぎたい気持ちになってしまっていた。それどころか実際のところおれは数カ月前からアイドルグループにすっかり入れ込んでおり(配信でライブも観た)、しかも発見してすぐに推しメンバーが脱退してしまってショックを受けていたので、意見を言わなければならない雰囲気になっても語れることなど何も無いのだった。変な汗をかいた。

 明日は晴れるらしいので、洗濯をする。