3月4日

 別に斜に構えて格好つけようというつもりはないが、1年くらい前からSNSを見る頻度がかなり落ちた。今やイベントの告知は大体SNSでされるし、早い者勝ちみたいなことも多いから、以前はなるべく情報を取りこぼさずかつ早く得るために、日に何回もチェックしたり、チェックしきれるようフォローする相手を吟味したりしていた。それが、何かを急に決意したわけではなく自然と無くなっていった。今、振り返って簡単な言葉にまとめてしまうと、疲れて飽きたのだと思う。コロナ流行の影響で、一層SNSでの繋がりにのめり込んだ人もいると思うが、おれは逆だった。未知の何かや誰かと対面するための切っ掛けとしての価値が強かったのだと思う。まあ対面にせよ文字情報にせよ、どうせおれは交流は上手くできないし。

 こないだ実家に帰った時、喫茶店に出かけたら、ずっとライブで聴きたかったそれほど有名ではない海外ミュージシャンの来日公演のチラシが目に留まった。公演が催される土地でもないのに、なぜかほんの数種類のうちの1枚がそれで、エっと驚いて飛びついた。SNSを見なくなって、以前なら足繫く通ったようないくつものイベントを、開催されたことすら知らずに過ごしたと思うが、こんな引き合わせもあるのだ。縁というものは不思議なものだなと、改めて思った。そして気負わずに視野を広く持って歩くことを忘れずにいようと。