日記 7/9

 今朝は通勤中に集中豪雨に遭った。ワイパーを早く振っても前がかなり見えにくい。道路は、車の底を水が着いているのではないかという個所もあった。被害の出ている地域ではこんなのに何日も晒されているのだろうか。

 車のハンドルを握りながら、もちろん雨そのものがすでに危険だったが、危険を感じていても狭い道なので止まることも戻ることもできず、どんな人が乗っているのか分からない前の車にただ付いていく以外に選択肢がない状況に不安を覚えた。

 

 子どもの小遣い程度の少額ではあるが賞与をもらった。すぐさま古本屋へ行き、おもしろそうな本を選んだ。その店で買った本は、自室で一つの棚に並べているが、最近端から端まで届いた。店の一部が自室に移設されたようでおもしろい。植物の苗木を分けてもらっているような感覚がある。古本には一冊ずつそれぞれの顔があるから、特にそう思うのかもしれない。

 

 何かやりたいと思っていてもなかなか方向性を見出せず動かないことがある。大抵は、そのうち何か思いつくさと、結論を先送ってしまう。そうしているうちに、生える前から根が腐っていったようなことはいくつも心当たりがある。それは少しずつ進行しているはずだが、気が付くのは瞬間的なことで、いつも背筋がひやりとする。恐ろしや。

 

 さすがにそろそろ青空が恋しい。しかし梅雨が明けたら来るのは本格的な夏だ。今自分が欲しているのは、過ぎた春の快い気候であり、それはまた冬を越えるまでやってこないのかもしれない。

 果物売り場に行くと、桃の香りがする。夏のほとんどが嫌いなおれにとって唯一の好ましい事柄なので、マスクをしているせいで逸してはならない。