日記 11/18

 こないだ発表されたEPを機に、James Blakeの過去作も聴いている。完成度の高い近作や業界をザワつかせたデビュー作ももちろん良いけれど、以前からおれは1stと2ndの間に出たEP "Enough Thunder" がとても好きだった。デビュー時はフロア(に行ったことはない)寄りの作風が注目された彼が、1stで見せたソングライティングと歌唱の魅力を2nd以降突き詰めていく、その方向性が打ち出された作品だったと思う。Bon Iverが参加した曲や、Joni Mitchellの素晴らしいピアノカバーが収録されている。

 彼に限らず、こういう変化していく過程が作品として発表されることはよくある。中には中途半端と受け取られてあまり人気がない場合もあるが、おれはなぜか異様に気に入ってしまうことがある。完璧に仕上がった作品も素晴らしいことは間違いない。しかし次の場所へ這い上がるための楔のような作品たちからは、他にない人間味が滲んでいることがあるように思える。それが気になるのは、変わっていくことへの羨望にも似た憧れがあるからかもしれない。

 今日は両親の結婚記念日らしい。


James Blake & Bon Iver - Fall Creek Boys Choir (Offical Audio)