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 今週は生産の立ち会いが続く。立ち上げの調整で生産条件が決まってしまえば、1時間くらいおきに簡単な測定を行って品質を確認するだけだ。あとは時間まで機械を流れていく製品を異常がないか見つめているしかない。もしもトラブルが起きたとて、今のおれには人を呼ぶことくらいしかできない。

 将棋の俊才が卒業を目前にして高校を自主退学したというニュースを見た。あとほんの少しの期間なのだから何とかならなかったのか、というのは当然の感想だと思う。しかし今の彼に流れている時間からしたら、その判断はきっと自然な流れで為されたのではないかと思えてくる。

 テレビだかラジオだかの番組で、視聴者からのメールを読むコーナーが流れていた。テーマは"珍しいアルバイト経験"。読まれたメールの主は、外国人の労働者がサボらないよう監視するアルバイトをしたという。はじめはこれほど楽な仕事は無いと喜んだものの、あまりに退屈過ぎてすぐに別の仕事に移った、という話だった。