2/21

 ほとんど眠れずに朝が来た。今日が休日で助かった。日差しが暖かく、一番大きな窓を開けてマイブラなどの音楽をかけると、長かった冬ももう終わりが近いという感慨が湧いてくる。東北に居た頃は、2月にこんな気分にはならなかった。ずっと東北人の気質できたけれど、あと何年かすると、関東での暮らしの方が長くなる。いよいよ根無し草なのか。

 昨春引っ越したことと、収入が減ったこともあり、自分の荷物の中から掘り出し物を見つけては使い出すことが増えてきた。慌てて詰め込んだものの、もうすぐ次の春が来るというのに未だに開けていなかった段ボールから、こんなん持ってたんだな、というモノがたまに出てくる。この冬ずっと来ていたパーカーもそうだった。見つけた時、買った記憶も無ければ、着た痕跡もほとんどなかった。

 今日はブーツを出してベランダで手入れした。出番はもう減りそうな季節になりつつあるのに。重くて硬くて歩きにくくて運転もしづらいし、寒い季節に足先が冷えるとずっと冷たいままだったりもするこのブーツ、何年も前に買ったのに全然履かなかったから、まだルーキーみたいな顔をしている。使い込まれた同じモデルの写真をネットで見ると良いなと思えるので、これから少しでも履いていこうと思う。

 大抵いつも値が張るからたくさんは持っていないが、流行り廃りが無くて長く使えそうなモノを選ぶことが多い。しかしそういうライフスタイルやコミュニティなどを好ましく思っているということは一切無い。おれに大層な主義思想などは無く、単純に、言わば定番のモノのデザインの方が気に入ることが多いというだけだ。世の中十把一絡げで、おれのような小市民すらもすぐそういうところに引っ張っていこうとするから、それははっきり意識しておく。