心の7月

 今年は梅雨が明けたら、カードを裏返したように急に手加減なしの夏に切り替わった。それからもう何日も経ったけれど、でもまだ7月だ。そう改めて思い出すと、炎天下の日中に外を歩いていても、いやいや8月の高温多湿はこんなもんじゃないよとか、車の窓を開けてまだ風が心地良いじゃないかとか、慌てて7月の要素を探し始める。自分が思う7月らしさについて考えたり、いつかの7月の思い出に気持ちを巡らせたり、自分でもなぜだかよく分からない悪あがきをしている。