5/9 夕方

 先日、中古レコードの個人店で禁を破ってしまい、そうするともののついでとばかりに通販にも手を出してしまう。これはいけない。毅然と文章に認めて、改めて冷静さを取り戻したい。注文した品は明日届く。

 オリンピックについて、中止させたいがためにスポーツ選手に出場辞退を求めるメッセージが送られているという記事を見た。仮にどれだけ正当性があろうとも、自分の欲望を満たすために、他の誰かに何かしろという考えが先行するようなことが、もしも自分にも自然に起きてきたら、相当良くないなと思う。それはこの件に限らない。ちっぽけな人間の誇大妄想と言われようとも、そういう方向性でいる。

 日曜だけど早めに起きて、試験勉強を少しでもやる。今日は晴れて25℃以上に気温が上がった。移動は徒歩と自転車の圏内に留める。木陰の空気が心地よい。例えばおいしかった物を再び食べてみて、こんな味だったっけと微妙な気持ちになることはあるが、こういう空気は何度経験しても新鮮な印象を覚える。年を重ねて、そこに少し感傷は混じっているかもしれない。新しく経験することは減ってきても、少しずつ微妙なバランスが変わっていく。外に出ると、自分の腕の白さが気になる。

 昼食に冷たい麺を作って食べて、昼寝をしていると通り雨の音で目が覚めた。青空も見える中で夢うつつの気分で、外に乾かしていた冬の器具を室内に仕舞う。携帯電話を手に取り、なんとなく天気予報を見る。降水確率よりも、日の入りの時刻に注意を惹かれた。ここは18時半くらい。ヨーロッパは21時過ぎだ。何年も前に訪れた5月6月頃のヨーロッパを思い出す。なかなか日が落ちない街を歩けば、多くの人たちが気持ちよさそうにビールやなんかを飲んでいて、日本のような梅雨も無いまま7月から2ヶ月近くの夏休みに入るのが一般的だというから、そりゃご機嫌にもなろう。色々あって前職時代に海外はもうたくさんだなと思ったが、あの初夏の気候を思い出すとまた訪れたい気持ちがにわかに湧いてくる。当時とは自分の興味も少し変わっているから、何かしら楽しめるのではないだろうか。

 今、少し雲が出てきていて、風に梅雨の気配が確かに混じっているのを感じる。