日記 8/1

 朝から久しぶりの晴れらしい晴れで、洗濯物を外に干した。虫取り網を担いだ親子が歩いているのが、ベランダから見えた。下の階では引越しをしていた。今週中少しずつ運び出していて、今日は最後の掃除が主のようだったから、晴れてよかっただろう。振り返ると、洗濯に入れ忘れた靴下が2足見つかった。

 

 読みかけの本をどこか喫茶店にでも入って読むかと思って出かけたが、肝心の本を持ち忘れた。今日はこの時点ですでに糸の切れた凧のようになっていた。毎度のことだしもう戻る気にもなれず、せっかくだからたまにはどこかで少し日を浴びることにした。駅前の公園を歩くと猛烈な蝉の声。足元の芝生には夥しい数の抜け殻。子どもが拾い集めたのだろうか。路上で売っていた桃を買った。少しずつ雲が厚くなってきていた。風はまだ猛暑のそれではなく、涼気がいくらか感じられる。

 

 おれは糸が切れていても帰る凧なのだった、今は。寄り道して気になっていた本を買ったところで、眠気でくらくらきて、家に着いたら夜まで少し寝た。

 世間では正気を疑うようなニュースが飛び交う中、贅沢な時間の使い方をした休日のはずなのに、どこに居てもそわそわして、落ち着かない感覚が消えなかった。