帰省

 週末を利用して帰省していた。今、復路の羽田空港から最寄り路線の駅まで向かうバスに揺られている。行きはごった返したターミナル駅を電車で乗り継いでも気分が高揚するくらいだが、帰りは特有の虚脱感と明日からの日常のウンザリがあるから人混みを避けられて乗ったら運ばれるだけのバスが良いかなと思った。

 しかし実に約3年ぶりに飛行機に乗った。出張で貯めていたマイルの有効期限が迫っていたから無理矢理決行した単独行だが、結果的にはまだ梅雨入りしていない地域で心地よい空気を吸うことができた。地方での滞在は、少々無理をしても大型連休を外した方が好ましい。

 遠くへ行きたいと願ったのに、結局時間切れで決めた行き先が実家という時点で行く前はかなりネガティブな気分だった。しかし国内有数の過疎県で、むしろだからこそ、なんだかんだ少しホッとしてしまったなと思いつつ、自宅への景色を眺める。