日記 11/15

 日曜、休日。もう長い間晴天が続いている。今日もそうで、洗濯する気が起きやすかった。

 昼過ぎくらいに、長く読みかけのまま進みが遅くなっていた本を読み終えた。車でどこかに行こうかとも思ったけれど、今日は車にも久しぶりの休みを与えることにして、自転車で近所の知らない道を流してみた。自分が地理を理解するのには、自転車の速度がちょうど良い。道筋や建物の位置関係を頭で描く時間の余裕が取れる上に、移動距離も稼げる。高低差も腿の筋肉を通して伝わってくる。それは誰にとってもそうであろうと無意識に思いかけていたけれど、きっと歩くのが合う人もいれば、自動車でも新幹線でもそれができる人はいるんだろう。そう改めて気づいたのは、読み終えた本の影響だったのかもしれない。そのうち感想が思いついたら書くか、しかし今書いたことだけで十分のような気もする。最近文字を読む気になかなかなれなかったけれど、まだまだ色々読みたいものはあるから、進みは遅くとも引き続きやっていきたい。

 先日の誕生日にプレゼントとしてもらったJohn Cohenの"Do Not Disturb My Waking Dream"。昨年亡くなった彼の遺作かもしれない(情報が外国語だからはっきり分からない)作品集で、大半が写真だがドローイングのような作品も載っている。字を読む気になれない時、よくこれをパラパラ眺めていた。書名に象徴されるような、きっととても個人的で、不確かだけど揺るがない風景が描かれている。それを見ていると、自分にも、日常に流されても決して侵されない風景があったことを思い出させる。懐かしさや寂しさ、仄かな温かさを感じる。巻頭の片隅に「Dedicated to an inner life」と記されている。正確な意図は分からないけれど、どこかはっとする言葉で、もっと自分の内で起こることを大切にしたいと思った。出版はドイツのSteidl社で、これしかないとすら思うような小さめのサイズ感、本の材料の選び方がされていて、自分の部屋にこの本があることが心強い。巻末にはJohn Cohen自身のエッセイが載っているので、少しずつ自分で訳してみたい。

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